起業家は本当に節約すべきか?
志をもってゼロから一歩踏み出す多くの起業家と同じように、
私の手元にある資産は限りなく少ない。
新卒入社以来、独立を見越した節制はしてきたものの、
ベンチャーの新卒が1年半で貯められる金額などたかが知れている。
わずかな自己資金と、VCからのリスクマネーで、
サービスがスケールするキッカケを探し続けるのが直近半年だ。
そうなれば、生活全てを切り詰めて、
なるべく安い給料でまかなえるようにしようと考えるのはごく自然だ。
例に漏れず私たちもストイックな生活を始めているし、
無駄な消費は一切なくそうとしている。
ただ、全方面においてコストをできるだけカットすべきかというと、
必ずしもそうでないと思う。
家賃は安ければ安いほどいいか?
食費は安ければ安いほどいいか?
交際費をなくすために誰とも会わずに没頭すべきか?
私は全て否だと考える。
実際、創業期はものすごく泥臭いことばかりだし、
切り詰めた環境でもパフォーマンスを保てるように自分が変わっていくべきだと思う。
ただ、節約は目的ではない。事業を成功させるための手段の一つだ。
言葉にするとものすごくシンプルだが、やはり費用対効果なのだ。
何に資産を投下するかの判断力が重要な起業家だからこそ、
盲目な節約のような思考停止には陥るべきでないと思う。
missionとして描く世界観の実現のためであれば、
地を這う覚悟はある。
その上での提言だ。
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エゴ不足で後悔する人生
"If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?"
「もし今日が人生最後の日だったら、私は今日しようとしていることをしたいと思うだろうか?」
かの有名なスティーブジョブスのスタンフォード大学のスピーチの一節だ。
人生は有限で、必ず終わりがくる。
だからこそ、自分がしたいことを選択すべき、というメッセージだ。
この質問に対し、YesとNoをわける要素は何だろうか。
私は、「誰のために人生を生きているか」だと思う。
究極的には人生の決定は全てエゴであると思う。
自分の命を何に費やすかは所有者の自由だ。
ただ、人とのかかわり合いの中で成り立つ社会において、
それを貫くのが難しいこともある。
特に、常識や慣習は同調圧力的に作用し、人生に思考停止をもたらす。
一定の保証がされたレールから外れないように務め、
自分がどうしたいかの優先順位が下がっていく。
そして、冒頭の問いを投げたときに気づく。
今日死ぬのであれば違う事をしたい、と。
場面を問わず自分の意志を貫け、という話ではない。
おそらくそれをしていると別の不幸が生まれる。
ただ、あまりに自分の意志を抑え、
他の人との関係性のためだけに選択をしていないか、
今一度振り返ってみてほしい。
自分のエゴを許す事は、選択の緊張のなかに安心を生むはずだ。
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自分が天才でないと気づいた人への処方箋
面白みも意外性もないが、天才でないのであれば、努力するしかない。
その努力をどこに注ぐかが勝負だと思う。
これまでの人生で、絶対こいつには勝てない、という層がいることに気づいていた。
同じ土俵で戦い、同じものさしで計ったときに、
追い越せるイメージがない人が一定数確実に存在した。
井の中の蛙になる暇もなく、自分は凡人だと気づく。
それでも誰よりも成り上がりたかった。
負けているのが嫌だった。
だから、自分より優秀な人を自分と同じベクトルに巻き込む力をつけようと思った。
他者を巻き込んで社会に価値を与える力をつけようと思った。
そんな話を就職活動でしゃべっていた。
ファーストキャリアでその力をつけて、
自分より優秀な人ばかりのチームを創ろうと思っていた。
入社してからも、半年でマネジメントができる役職につけてもらった。
自分の目的のために、他の人が全力で輝く方法について考え続けた。
強烈なvisionを描く。姿勢で示す。
結果、この二点が大事だとわかった。
この部分にフォーカスして努力を続けた。
そして、ふと気づくと、
今まで見た同世代でダントツに優秀な同期が、創業メンバーになっていた。
最終出社日の前日夜11時に、ジョインを決めてくれた。
本当に、ものすごく尊敬していて、自分より遥かに優秀で、
一番一緒に働きたかった人が仲間になってくれた。
相変わらず自分は平凡だが、
自分が創るチームは強烈に非凡を成していく感覚がある。
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10年後も周りの友達と笑顔でいるために、人生をかけて起業する
自分が人生かけて創ろうとしている世界は、人に心から望まれているものだった
KDDI∞laboのピッチイベントに登壇し、それを強く再認識した。
結果は悔しいものだったが、自分が走る背中を押してくれるような感覚を味わい、
世の中に求められていることに「安心」を感じた。
この気持ちのうちに、another lifeというサービスを創る背景になった原体験について書きたい。
ブログタイトルにあるように、日本人が「夢を諦める平均年齢」は24歳だ。キリンビール「日本人の夢調査」(2012年)
平成元年生まれの私はちょうど今24歳だが、
この数字にものすごく実感が湧く。
学生時代の友人と、土日に遊んでいると、
「月曜会社行きたくない」「なんかいい仕事ない?」という会話が何度もある。
付き合いが古い友人ほど、
昔、彼(彼女)が何かに打ち込んでいるときの輝きや魅力を知っているからこそ、
そんな話をしていることに、やるせなさを感じることがある。
24歳からの方が人生が長いのに、この後情熱を注ぐものがないとしたら、と考えると、
やりきれない気持ちになることがある。
今だから土日に馬鹿騒ぎして発散できているけど、
10年後、一緒に心から笑っていることができないかもしれない、
そう感じた瞬間が強烈な原体験としてあった。
人と比べる事ではないかもしれないが、私は心を開ける友人が多くないと思う。
だからこそ、そういった友人と過ごす時間を壊していくこの課題は、
私が当事者の問題なのだと思う。
だから、私は人生をかけた挑戦に、
「やりたいことをやる人生をあたりまえに」というmissionを掲げた。
こんな世界を創るために、起業した。
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創業メンバーにかける想い
ここ一ヶ月ほど、創業メンバー探しに徹している。
プロダクトの中身も少しずつ固まってきて、
資金調達に関しても、某VCと話がまとまった。
ただ、メンバーに関しては、未だフルコミットで走る仲間を見つけられないでいる。
メンバーについては、実はこだわりが一番強い部分だ。
webサービスのため、エンジニアのメンバーを捜しているのだが、
スキルセットにものすごくこだわっているかというと、そうではない。
むしろ、学生でも積極的に話をするほどだ。
では何にこだわっているのかというと、visionへ共感だ。
きれいごとに聞こえるかもしれないが、その共感なく始めることは、
誰にとっても幸せを生まないと思う。
前職は150%以上のスピードで成長するベンチャーで、
ものすごく優秀で、人間的にも魅力的な人が集まっていた。
ただ、人の入れ替わりが非常に多いチームだった。
フェーズが変わることがもたらす新陳代謝ももちろんあったが、
missionやvisionへの共感なく参画した人が多いことが一因だったと感じている。
あたりまえだが、会社は自然発生ではない。
何かの目的の達成のために創られ、目指す点に向けチームを組む。
であれば、そのPJTが存在する理由や、
そのチームが目指す方向に共感できていないことは致命的だ。
自分がそこにいる意義を、やがて見いだせなくなる日が来る。
そんな経緯から、mission/visionの共有には強くこだわり、メンバーを探している。
「私のvisionはこうだから、これに共感してくれ。」ではなく、
目指すvisionを一緒に考えられる人と仕事がしたいと考えている。
自分一人では、世界を変えられない。
根拠のない自信をもつタイプの自分ですら、このイメージはあまり湧かなかった。
そう気づいてから、人を巻き込んで価値を生み出す力を徹底的につけた。
自分より優秀な人を自分と同じベクトルに巻き込む力をつけることに徹した。
だから、「誰か」となら世界を変えることができる感覚をもっている。
言葉にすると他力本願のように聞こえるが、
visionを共感できる仲間が入れば、成功するための要素は揃うのだ。
あとは、やるかやらないかだけだから。
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挑戦の健全さを計る「不安」という指標
「不安は、青春の前提だろう」
糸井重里の言葉だ。
前提という表現、かなりしっくりくる。
逆に言えば、不安がなければ青春でない、という意味でもある。
これは挑戦においてもまったく同じだ。
自分の考えたビジネスプランを周囲に話すとき、
えもいわれぬ不安を感じるときがある。
他の人の話は参考意見として取捨選択し、
あくまでも自分の考える正しさを貫く。
この難しさは正直想像以上だった。
不確実さは不安の種を生み、
他人の意見がその種を育んだり、枯らせたり。
文字通り一喜一憂だ。
聞く耳を持たないことは簡単だが、
経験に富んだ周囲の方が、自分への善意で意見を頂いている。
であれば、不安と共存する強さをもつしかない。
本質的に新しい価値を世の中に提供しようとすれば、
不安(=不確実性)がないはずがない。
それがなくなることは、つまり挑戦を止めることを意味すると思う。
挑戦を続ければ不安が晴れることはない。
不安を抱えて前に進むためには、
missionを信じて行動を続けるしかないのだと思う。
「挑戦は青春」という言葉もあったな、とふと思い出す。
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垣間見えるストーリーの強烈な訴求力
「一日だけ、他の誰かの人生を」というテーマでプロダクト設計をするにあたり、
「情熱大陸」や「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」を参考にしている。
ドキュメンタリーには、よく知らなかった人のことを、
前よりも少し好きになってしまう、不思議な魅力がある。
総合的な演出力ももちろんあるのだが、
普段見ている人の背景にあるストーリーを垣間見れることが
大きな醍醐味なのではないかと感じる。
秘密を共有することが恋に発展するキッカケとなるように、
「誰でもアクセスできる訳でない、背景のストーリー」を共有されることは、
対象への愛着を生む。
工場見学に参加した人が、その商品を買う頻度が増えるのと同じだ。
参考:http://www.mcto.co.jp/06makicomi/index06.html
きっと、自分と対象との間に特別感が醸成されるのだろう。
ドキュメンタリー番組の一部が広告的要素を含むように、
この「特別感」はビジネス的にも大きな可能性を持つはずだ。
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